重陽の節句(ちょうようのせっく) 2034年

koyominote

重陽の節句は、長寿を祈る行事です。菊の節句とも呼ばれ、菊を飾り、菊を用い、菊を楽しむ行事でもあります。平安時代の宮中では、重陽の宴が催され、菊を飾って鑑賞し、菊酒(菊の花を酒に浮かべたもの)がふるまわれたそうです。

2034年の重陽の節句

日付五節句
2034年9月9日
重陽の節句ちょうようのせっく
2034年10月20日
旧暦重陽の節句

重陽の節句の由来

中国の陰陽思想では、偶数は陰の数、奇数は陽の数といわれています。9月9日は、9が2つ重なる日ということから「重陽」と呼ばれるようになりました。

旧暦の九月九日は菊の花が盛りを迎える頃で、かつては五節句のうちで一番重要視されていました。しかし、新暦の9月9日は菊の開花にはまだ早く、時代とともに行われなくなったのかもしれません。

重陽の節句の習わし

中国では菊は梅、竹、蘭と共に「四君子」のひとつの花として古来より人々に愛されています。

また中国には「菊がたくさん咲いている泉の水を飲んだところ、何百年も生き延びた」という菊滋童(きくじどう)の伝説があり、菊は霊力の高い花、生命力の象徴とされています。菊は漢方薬としても用いられます。

菊酒

9月9日には、無病息災や長寿を願って菊酒をいただきます。菊酒とは、菊の花びらを浸した水で仕込みをしたお酒、または氷砂糖と一緒に菊の花びらを焼酎に漬け込んだものといわれています。

菊の被綿(きせわた)

9月8日の夜、綿を菊の花にかぶせて夜露をしみこませます。翌9日の朝、菊の香りのついた綿で身をなでて長寿を祈る「菊の被綿(きせわた)」という習わしがありました。

菊枕(きくまくら)

菊枕とは、旧暦9月9日に菊の花びらを摘み、天日干しにしたものを詰め物にして作った枕のことです。菊の香りが頭痛や目の病に良いとされています。また、好きな相手が夢に現れるともいわれ、女性から男性への贈り物とされてきました。

登高(とうこう)

中国の故事に「9月9日に災いが起きるが、茱萸(しゅゆ)の枝を肘に巻いて高いところに登り、そこで菊の酒を飲めば難を逃れられる」という予言があり、高いところへ登って難を逃れたというものがあります。この故事から、重陽の節句には今でも山に登って菊酒を飲み、無病息災を願う風習があります。

五節句カレンダー

記事URLをコピーしました