端午の節句(たんごのせっく) 2026年
端午の節句は、男の子の成長を祝い、立身出世を願う行事です。端午とは、もともとは5月最初の午(うま)の日のことを指しました。鎧兜や鯉のぼりを飾るほか、柏餅や粽(ちまき)を食べたり、菖蒲湯に入る習わしがあります。
2026年の端午の節句
日付 | 五節句 |
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2026年5月5日 | 端午の節句 |
2026年6月19日 | 旧暦端午の節句 |
端午の節句の由来
中国では、旧暦5月は物忌みの月とされ、中でも5日は「五」が重なることから「重五」と呼ばれ良くない日とされてきました。また旧暦5月(新暦では6月ごろ)の初旬は、ちょうど梅雨の時期で、カビが生えやすく病気になりやすい時期です。そこで薬草である菖蒲やヨモギで門を飾ったり、菖蒲酒を飲んだりして病気や邪気を払う行事が行われました。
菖蒲が尚武(しょうぶ)と同じ読みであることから、鎌倉時代ごろに男の子の成長を祈る儀式がはじまったと考えられています。本格的に男の子のお祝いへと変化したのは江戸時代からです。その後、菖蒲湯に入ったり、柏餅や粽(ちまき)を食べたりして邪気をはらう風習が農村部に定着し、現在の端午の節句の祝い方となりました。
端午の節句の行事食と習わし
柏餅(かしわもち)
柏の葉でくるんである小豆あんのはいった餅です。柏の葉は、新芽が出るまで古い葉が落ちません。柏の葉のように家系が途絶えないことを願って食べられました。
粽(ちまき)
もち米を笹の葉で包んで、いぐさでしばり、蒸したものです。中国では邪気をはらう食べ物とされ日本では端午の節句で食べられるようになりました。
菖蒲
菖蒲は薬草で、病気や厄災を払う魔除けの効果があると考えられていました。菖蒲をお風呂に入れて菖蒲湯にして入ったり、端午の節句の時期に軒先に飾ったりするようになりました。
鎧兜・鯉のぼりを飾る時期
彼岸を過ぎれば鎧兜を飾ってもよいとされています。鯉のぼりを飾るのは4月中旬以降が一般的です。鎧兜は赤ちゃんの身代わりになって、災厄を引き受けるとされているので、毎年飾るようにします。
片づける時期は5月中旬までの乾燥した晴天の日がよいでしょう。
内飾りと外飾りの種類
五月人形(内飾り)
金太郎や弁慶のように、強く、たくましく育つようにと願いを込めて人形が飾られます。
鎧兜(内飾り)
強くたくましく育ってほしいという願いと厄災から子供を守って欲しいという願いから、鎧や兜などの武具を飾るようになったといわれています。
鎧兜段飾り
鎧兜は3段飾りが基本です。1段目には屏風を立てて、鎧兜を置き、その左右に太刀や弓矢などを飾ります。2段目には陣太鼓や軍扇、陣笠などを置き、3段目には菖蒲や柏餅、粽(ちまき)などをそなえます。
鎧兜平飾り
飾り台の上に屏風を置き、兜だけを飾るのが兜平飾りです。兜や鎧の両脇に弓矢や太刀を飾る場合もあります。狭いスペースでも飾ることができるので近年人気があります。
鯉のぼり(外飾り)
江戸時代に始まった風習です。中国には「鯉は滝を上って龍になる」という故事があり、鯉は立身出世の象徴とされていることから、子どもが無事に世の中を過ごし、立身出世しますようにと願いを込めて飾られます。
飾る順番は上から籠玉(かごたま)、矢車(やぐるま)、吹き流し、真鯉(まごい)、緋鯉(ひごい)、子鯉(こごい)です。吹き流しには空に昇るまでに鯉が龍に食べられないように、という魔除けの意味があります。